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電子書籍中の数学

電子書籍(ebook) は、教育現場での重要が高まり、中でも数学教育での需要の重要な位置を占めています。Design Science 社(以下DSI)は、出版業界、電子書籍普及団体、読書システム供給元と協力し、数学表記が正しく処理されるよう取り組んでいます。このページの以外にも、ビジネス・ネットワーキングのWeb サイトであるLinkedIn に「Ebooks for Math and Science (数学と科学のための電子書籍)」というグループを設けています。このグループを利用し、文書や意見を交換し、こうした取り組みに関する発表も行っています。これに興味をお持ちの方は、是非ご参加下さい。

EPUB の中の数式

EPUB (イーパブ)の規格はIDPF (国際デジタル出版フォーラム)が発行しています。他にも電子書籍の規格はありますが、EPUB はそれがオープンな非独占的な基準であるため、多くの支持を獲得しているように思われます。現にEPUBは複数の基準を一つにしたもので、書籍の様々に異なる側面を扱っています。数式に関して、DSI はコンテンツのフォーマットのみに興味を抱いています。EPUB はコンテンツのための二種類の異なったフォーマット、すなわちXHTML とDAISY を受け入れています。ただし、電子書籍の世界でEPUB フォーマットが語られる時、そのほとんどはDAISY ではなく、XHTML です。DAISY はMathML をサポートしているため、その最新バージョンは、すでに抜きん出てた数学のサポート力を備えているものの、ここではEPUBにおけるXHTMLの変種として論じるに留めておきます。

仕様:EPUB の中の数式のベスト・プラクティス

コンテンツの供給元と読書システムの開発者に向け、EPUB 電子書籍で数式を処理する最善の方法のガイダンスを行うために「EPUB Math: Best Practices for Mathematics in Ebooks (EPUBの数学:電子書籍中の数学のためのベストプラクティス)」と題するものを作成しました。EPUB 規格は複雑で、ほとんどの読書システムは、その機能の全てを実装していません。最終的に欠けている機能を実装は、読書システムの供給元が行うとしても、特定の書籍や書籍の集合体をサポートするのに必要な機能に応じて、その実装の優先順位が設定されます。これこそ我々が打破したいと願う鶏と卵の状況を生んでいるのです。
このベスト・プラクティスの文書は、EPUB 諸機能の特定の使用を含むEPUB書籍中の数式を表す方法を推奨するものです。ここで述べんとしているのは、以下の目標と制約の内に収めることです:

  • EPUB 規格に準拠し、それを拡張するのではなく、その内で動作させる。新機能と改善点の追加は、将来的には関与せざるをえなくなる可能性はあるものの、現在の努力を活かすため、現在の標準バージョンで動作することを推奨する。

  • 数式は多種多様のデバイスとズームレベルで、明確に表示されるようにスケーラブルにすべき。

  • 各数式は周囲のテキスト(ベースラインの配置)との位置合わせを行い、フォントサイズやズームレベルが変更される場合でも、そのアライメントを維持しなくてはならない。

  • 読書システムが、OS のクリップボードに数式をコピーできるようにし、ユーザーが他のアプリケーションでも数学に取り組めるようすることを望む。

  • 数式がスクリーンリーダーと電子書籍の読書システムを使っている人にアクセシブルであるべき。DAISY 書籍は、障害を持つ人のために最高の読書体験を提供すると同時に、すべての教育における電子書籍で、アクセシビリティは重要。

  • 数学ベースの検索に、数式が使用可能であるべき。

DSIが 提案するソリューションには、SVG (Scalable Vector Graphics)をサポートしていない読書システムに、ラスターイメージ(GIF、PNG) での代替のみならず、数学的な意味と構造、SVG のベクター画像を表示できるMathML を組み込むことが含まれます。

EPUB 書籍のサンプル

次のEPUB 書籍のサンプルは、同社の「EPUB Math: Best Practices for Mathematics in Ebooks (EPUB の数学:電子書籍中の数学のためのベストプラクティス)」で述べた仕様に従って構築されています。これは読書システムをテストするのに用いることができ、なおかつワークフローを実装しようとする発行者にも有益です:

  • EPUB Math Sample Book (.epubfile):この書籍には一個のインラインの数式、一個の表示式、わずかなテキストが含まれています。

  • On Optimal Bit Allocation for Classification-Based Source-Dependent Transform Coding (.epubfile):Hindawi 出版から出されているEPUB サンプルのひとつの中にあるバージョンで、DSI の仕様に基づいて変更されています。

システム・コンプライアンスを読む

DSI の「EPUB Math: Best Practices for Mathematics in Ebooks (EPUB の数学:電子書籍中の数学のためのベストプラクティス)」には、読書システムの適合性を評価するのに必要な条件のチェックリストが含まれています。この文書の執筆時点で、唯一Adobe Digital Editions が、この要件を満たしています。EPUB 規格のコンプライアンスに完全準拠するのに必要なことから、ほとんどの読書システム供給元が、すぐにSVG および埋め込みフォントのサポートを追加することを約束したため、この状況はすぐに変わるだろうことを期待しています。いかなる読書システムもコンプライアンスを達成するたびに、ここでそれを報告します。
理論的に、Bookworm やBookGlutton のようなブラウザベースのeリーダーは、Firefox およびInternetExplorer+MathPlayer のようなMathML 対応機能を持つブラウザで開いた時、MathML をEPUB 書籍にレンダリングすることができるはずです。しかし、実際には現在のところ、それができません。ブラウザベースのeリーダーePub ファイルをそれらの基準で解析し、そうすることでMathML のブラウザのレンダリングの必要条件を除外します。(例えば、ブラウザベースのeリーダー中にはePub ファイルをHTML として提供するものがあります。)MathML を含む、HTML5 基準を採用したブラウザは、この状況を改善する必要があります。MathML のサポートは、「EPUB Math: Best Practices for Mathematics in Ebooks (EPUB の数学:電子書籍中の数学のためのベストプラクティス)」のコンプライアンスへと一歩前進することになります。

電子辞書コンプライアンス

EPUB ブック内に存在する数式の数を報告し、それがDSI 流のベスト・プラクティスの仕様に合致しているかを確認できるようepub チェックツールを拡張したいと考えています。この記事の執筆時点では、この作業は開始されていません。

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